健康保険では、いったん医療機関等に全額支払った費用について、後で健康保険組合から払い戻しの給付を受けられる場合があります。

健康保険では、保険医療機関の窓口に保険証を提示して診療を受ける現物給付が原則ですが、やむを得ない事情で現物給付を受けることができないときや、治療のために装具が必要になったときなどは、かかった医療費の全額を一時立替払いし、あとで請求して療養費(被扶養者の場合は家族療養費)として、払い戻しを受けることができます。

療養費は、支払った医療費が全額払い戻されるわけではありません。被保険者や被扶養者が保険医療機関で保険診療を受けた場合を基準に計算した額(実際に支払った額が保険診療基準の額より少ないときは、実際に支払った額)から一部負担金相当額を差し引いた額が払い戻されます。

また、健康保険で認められない費用などが除外されます。

療養費が支給される場合
・就職直後で事業主が資格所得届の手続き中のため、被保険者証がないときの受診
・旅行中に急病になったり、ケガをしたが、近くに保険医療機関がなく、やむを得ず保険医療機関でない病院で診療を受けたとき
・医師の指示により、義手、義足、義眼、コルセットなどの治療用装具を購入、装着したとき
・9歳未満の小児が小児弱視等の治療でメガネやコンタクトレンズを購入したとき
・四肢のリンパ浮腫治療のため弾性着衣等を購入したとき
・生血液の輸血を受けたとき
・医師の同意を得て、はり、きゅう、あんま、マッサージをうけたとき
・海外で治療をうけたとき
など